シックハウス症候群
どのような物質・特性があるのか?Part2
6.スチレン
スチレンは無色ないし黄色を帯びた油状の液体で、特徴的な臭気を有します。家庭内ではポリスチン樹脂、合成ゴム、不飽和ポリエステル樹脂、ABS樹脂、イオン交換樹脂、合成樹脂塗料等に含まれる高分子化合物の原料として用いられます。これらの樹脂を使用している熱剤、 浴室ユニット、畳心材等の他、様々な家具、包装材等に未反応のモノマーが残留していた場合には、室内空気中に揮散する可能性があります。60ppm程度で臭気を感じ始め、200ppm を超えると強く不快な臭いに感じるといいます。600ppm程度で目や鼻を刺激し、800ppm程度 になると目や喉に強い刺激を感じ、眠気や脱力感を感じるようになります。
7.クロルピリホス
クロルピリホスは有機リン系の殺虫剤で、家庭内では防蟻剤(しろあり駆除)として使用されて きました。しかし、平成15年7月に改正建築基準が施工され、居室を有する建築物への使用 が禁止されました。クロルピリホスによる軽症の中毒症状としては、倦怠感、頭痛、めまい、吐 き気等があり、重症の場合には、縮瞳、けいれん等の神経障害を起こす可能性があります。
8.フタル酸ジーn-ブチル
フタル酸ジーn-ブチルは無色〜微黄色の粘ちょう性の液体で、特徴的な臭気を有します。主として塗料、顔料や接着剤に、加工性を向上させるために使用されます。フタル酸ジーn-ブジルに高濃度に暴露すると、目、皮膚、気道に刺激を感じます。
9.テトラデガン
テトラデガンは無色透明な液体で、石油臭を有します。塗料の溶剤に使用されるほか、家庭内では灯油が発生源となります。中毒の情報はありませんが、高濃度では刺激性及び麻酔性があるとされています。
10.フタル酸ジー2-エチルヘキシン
フタル酸ジー2-エチルヘキシンは無色〜淡色の粘ちょう性の液体で、特徴的な臭気を有しま す。代表的なもので、壁紙、床材、各種フィルム、電線被覆等様々な形で利用されています。 フタル酸ジー2-エチルヘキシンとの反復または長期間の接触により、皮膚炎を起こすことがあ ります。
11.ダイアジノン
ダイアジノンは無色のやや粘ちょう性の液体で、弱いエステル臭を有します。ダイアジノンは有機リン系の殺虫剤で、ペット用の首輪、ゴキブリ用残留散布剤として使用されます。 ダイアジノンによる中毒症状は、Fクロルピリホスと同様です。

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